鈍痛である。 呑み込まれる。 見つからないものばかり探す。 【しろいかお】 N君の話。 昔、近所に空き家があった。 廃墟では無く普通の売家だったと思うが、長く人が住まなかったようだ。 雨戸は閉まりっぱなしだったが、雨戸の付いていない普通の窓もあった。 登下校の最中や遊びに出かける時その家の二階の出窓から、外を眺めている妙に白い男の顔を何度も見かけた。 髪の毛を七三に分けた三十代程の端正な顔立ちであるが、印象的には意地悪そうに見えた。 その後もその家に決まった住人は無く、何時しか取り壊されて駐車場になった。 今でもあの白い顔のことは思い出せる。 まだ彼処に留まっているのではないかと考えることもある。 以上、本日の怪談でした。 うーむ。